更年期症状とセルフケア:今できる対策

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「急な発汗やのぼせに悩んでいる…」「なんだかイライラしやすい…」そうお悩みではありませんか?更年期は、女性にとって避けては通れない体の変化の時期です。この時期に現れるさまざまな症状は、仕事や家事、人間関係にも影響を及ぼし、日常生活の質を大きく下げてしまうことがあります。しかし、更年期症状を無理に我慢する必要はありません。原因を知り、適切なセルフケアを実践することで、つらい時期を乗り越えることができます。「どうせ仕方ない…」と諦める前に、この記事を読んでみませんか。
ここでは、更年期症状とその原因を解説し、今日から簡単にできる効果的なセルフケアを詳しくご紹介します。体の変化に寄り添いながら、心穏やかに過ごすためのヒントを見つけていきましょう。

更年期とは?主な症状と原因

更年期症状を効果的に改善するためには、まずこの時期に体に何が起こるのか、その原因を正しく理解することが大切です。

1.更年期とは

  • 女性ホルモンの減少:
    • 更年期は、閉経を挟んだ前後10年間を指します。個人差はありますが、一般的に45歳から55歳頃に当たります。
    • この時期は、卵巣の働きが低下し、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が急激に減少します。
    • このエストロゲンの減少が、様々な症状を引き起こす最大の原因となります。

2.更年期に現れる主な症状

  • 身体的な症状:
    • ホットフラッシュ:
      • 顔がほてったり、上半身から汗が吹き出したりする症状です。
    • 動悸・息切れ:
      • 心臓がドキドキしたり、息苦しさを感じたりします。
    • 肩こり・腰痛:
      • 血行不良により、筋肉の緊張や痛みが起こります。
    • 頭痛・めまい:
      • 自律神経の乱れから、頭痛やめまいが起こりやすくなります。
    • 冷え:
      • 手足の冷えやむくみを感じやすくなります。
  • 精神的な症状:
    • イライラ・不安感:
      • 些細なことでイライラしたり、漠然とした不安を感じたりします。
    • 気分の落ち込み:
      • 何をするにもやる気が出ない、憂鬱な気分が続くなど、気分の落ち込みが起こります。
    • 不眠:
      • 寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりします。

3.症状の原因は自律神経の乱れ

  • エストロゲンの減少:
    • エストロゲンは、自律神経を安定させる働きも持っています。
    • そのため、エストロゲンが減少すると、体温調節や血管の収縮・拡張を司る自律神経のバランスが崩れ、更年期特有の様々な症状が現れます。

更年期症状は、多岐にわたります。ご自身の症状がどの原因に当てはまるのかを理解することで、次の項目でご紹介するセルフケアをより効果的に実践できます。

更年期症状を和らげるセルフケア

更年期のつらい症状は、日々のセルフケアを工夫することで、簡単に和らげることができます。ここでは、特におすすめの方法をいくつかご紹介します。

1.ホットフラッシュ対策

  • 服装の工夫:
    • 脱ぎ着しやすい重ね着を心がけましょう。
    • Tシャツやブラウスなど、通気性が良く、吸湿性の高い天然素材の衣服を選ぶと良いでしょう。
  • クールダウン:
    • ほてりを感じたら、保冷剤をタオルでくるみ、首の後ろや脇の下、太ももの付け根を冷やすと、体温が下がりやすくなります。
    • うちわや扇子を持ち歩くのも効果的です。

2.イライラ・不眠対策

  • リラックスする時間を作る:
    • 毎日数分でも良いので、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、ゆっくりと温かい飲み物を飲んだりして、リラックスする時間を作りましょう。
  • ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる:
    • 38〜40度くらいのぬるめのお湯に、15分ほどかけてゆっくりと浸かると、自律神経が整い、心身ともにリラックスできます。
  • 寝具の見直し:
    • 汗をかきやすい場合は、吸湿性・通気性の良い寝具に替えることで、快適に眠れるようになります。

3.肩こり・腰痛対策

  • 体を温める:
    • 湯船に浸かるだけでなく、腹巻やカイロを活用してお腹やを温めると、血行が促進され、痛みが和らぎます。
  • 軽いストレッチ:
    • デスクワークの合間に肩を回したり、首をゆっくりと倒したりして、こまめに筋肉をほぐしましょう。
    • 詳しくは、次の項目でご紹介します。

4.動悸・めまい対策

  • 深呼吸:
    • 息苦しさや動悸を感じたら、ゆっくりと深く深呼吸を繰り返しましょう。
    • 息を吸い込むより、ゆっくりと長く吐くことを意識すると、副交感神経が優位になり、落ち着きやすくなります。

これらのセルフケアは、更年期のつらい症状簡単に和らげるための有効な方法です。自分の症状に合わせて、できることから実践してみましょう。

更年期を乗り越える食生活と栄養素

更年期症状改善するためには、体を内側から整える食生活も重要です。ここでは、積極的に摂りたい食べ物栄養素をご紹介します。

1.女性ホルモンに似た働きをする栄養素

  • 大豆イソフラボン:
    • 大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをします。
    • 食材: 納豆、豆腐、豆乳、きなこ、味噌など。
    • ポイント: 毎日少しずつでも良いので、積極的に摂ることをおすすめします。

2.自律神経を整える栄養素

  • トリプトファン:
    • 精神を安定させる「セロトニン」という神経伝達物質の材料となります。
    • 食材: 大豆製品、牛乳、チーズ、卵、ナッツ類など。
  • ビタミンB群:
    • 神経の働きを助け、自律神経を整えます。
    • 食材: 豚肉、魚介類、玄米、大豆製品など。
  • カルシウム:
    • 神経の興奮を抑え、精神を安定させる効果があります。
    • 食材: 牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚、小松菜など。

3.冷えや血行不良を改善する栄養素

  • ビタミンE:
    • 血行を促進し、冷えや肩こりの改善に効果があります。
    • 食材: アーモンド、アボカド、かぼちゃ、うなぎなど。
  • 鉄分:
    • 更年期は貧血になりやすく、貧血は冷えを悪化させる原因となります。
    • 食材: レバー、ほうれん草、ひじき、あさりなど。

4.控えるべきもの

  • カフェイン:
    • カフェインは、自律神経を刺激し、ホットフラッシュや動悸、不眠を悪化させることがあります。
    • コーヒーや緑茶の飲みすぎには注意し、ノンカフェインのものに切り替えましょう。
  • 刺激物:
    • 香辛料などの刺激物は、ホットフラッシュを誘発することがあります。

これらの栄養素をバランス良く摂る食生活を心がけることで、更年期症状を内側から改善することができます。

更年期に効果的なツボ押しとストレッチ

更年期のつらい症状は、ツボ押しストレッチでも緩和できます。ここでは、特に更年期に効果的な方法をご紹介します。

ツボ押し・ストレッチの基本ルール:

  • 痛みを感じない程度の強さで、ゆっくりと行いましょう。
  • 呼吸を止めずに行い、リラックスしながら行いましょう。

1.更年期に効くツボ押し

  • 三陰交(さんいんこう):
    • 位置: 足の内側、くるぶしから指4本分ほど上の位置にあります。
    • 押し方: 親指でゆっくりと押し、5秒かけて押し、5秒かけて離す、を数回繰り返します。
    • 効果: 女性ホルモンのバランスを整え、更年期の様々な症状に効果がある「万能のツボ」です。
  • 湧泉(ゆうせん):
    • 位置: 足裏の土踏まずのやや上、人差し指と中指の間を下がったくぼみです。
    • 押し方: 親指でゆっくりと押し、5秒かけて押し、5秒かけて離す、を数回繰り返します。
    • 効果: 全身の血行を促進し、冷えや疲労回復に効果があります。
  • 百会(ひゃくえ):
    • 位置: 頭頂部、両耳と鼻を結んだ線の交点にあります。
    • 押し方: 中指の腹でゆっくりと押さえます。
    • 効果: 自律神経を整え、頭痛やめまい、不眠に効果があります。

2.更年期に効果的なストレッチ

  • 肩甲骨回し:
    • 方法: 肩を大きく回したり、肩甲骨を寄せるように動かしたりして、肩周りの筋肉の緊張を和らげます。
    • 効果: 血行を促進し、肩こり改善に繋がります。
  • 骨盤まわりのストレッチ:
    • 方法: 仰向けに寝て、両膝を立てたまま、ゆっくりと左右に倒します。
    • 効果: 骨盤周りの血行を良くし、腰痛冷え改善に効果があります。
  • 呼吸法:
    • 方法: 仰向けに寝て、お腹に手を当て、ゆっくりと鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませます。次に、口からゆっくりと息を吐き出し、お腹をへこませます。
    • 効果: 自律神経を整え、リラックス効果を高めます。

これらのツボ押しストレッチは、日々のセルフケアとして取り入れることで、更年期症状緩和し、心身のバランスを整えることができます。

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根本改善へ:生活習慣の見直しと病院受診の目安

更年期症状を一時的に和らげるだけでなく、根本から改善するためには、日々の生活習慣をトータルで見直すことが不可欠です。また、つらい症状を我慢せず、医療の力を借りることも大切です。

1.根本改善のための生活習慣

  • 適度な運動:
    • ウォーキングやヨガ、水泳など、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
    • 運動は、血行を促進し、筋力低下を防ぐだけでなく、ストレス解消にも繋がります。
  • 質の良い睡眠:
    • 毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きるなど、規則正しい生活を心がけましょう。
    • 寝る前にリラックスできる習慣を取り入れることも大切です。
  • ストレス解消:
    • ストレスは、自律神経の乱れを加速させ、更年期症状を悪化させる最大の原因となります。
    • 趣味に没頭したり、友人とのおしゃべりを楽しんだり、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

2.避けるべきNG行動

  • 無理なダイエット:
    • 極端なダイエットは、必要な栄養素を不足させ、ホルモンバランスをさらに乱す原因となります。
  • 夜更かし:
    • 規則正しい生活が大切です。夜更かしは、自律神経やホルモンバランスを乱し、更年期症状を悪化させます。

3.病院受診の目安

以下のような場合は、一人で抱え込まず、婦人科などの専門医に相談しましょう。

  • 症状がひどく、日常生活に支障が出ている:
    • 仕事や家事が手につかない、人と会うのが辛い、など。
  • セルフケアだけでは症状が改善しない:
    • 自分でできることを試しても、症状緩和されない。
  • 気分の落ち込みがひどく、うつ病の可能性がある:
    • 漠然とした不安だけでなく、憂鬱な気分が長く続く、など。

更年期症状は、誰もが経験する体の変化です。一人で我慢せず、適切なセルフケアと、必要であれば医療の力を借りて、心穏やかな毎日を送りましょう。

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