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「毎日ぐったり…」「しっかり寝ても疲れが取れない…」そうお悩みではありませんか?日常生活で疲れを感じることは誰にでもありますが、それが長期間続き、休んでも回復しない場合は注意が必要です。もしかすると、その疲れの裏には、単なる疲労ではなく、何らかの病気が隠れている可能性があります。しかし、「疲れ」という漠然とした症状だけで、一体何が原因なのかを見分けるのは難しいですよね。
この記事では、疲れが取れない時に疑うべき病気の可能性と、その特徴や見分け方を詳しく解説します。そして、病院に行くべきタイミングや、疲れを溜めないための生活習慣もご紹介します。疲れを我慢せずに、自分の体の声に耳を傾け、健康を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。
疲れが取れない時に疑うべき病気とは
疲れが長期間取れない場合、その背後には様々な病気が隠れている可能性があります。ここでは、特に疲れを症状として伴う代表的な病気について解説します。
1.内分泌系の病気
- 甲状腺機能低下症:
- 首にある甲状腺が、体に必要なホルモンを十分に作れなくなる病気です。
- 全身の代謝が低下するため、疲れやすさ、だるさ、むくみ、体重増加、冷えといった症状が現れます。
- 特徴: 運動していないのに息切れしやすい、声がかすれる、便秘になりやすい。
- 副腎疲労:
- ストレスや生活習慣の乱れにより、副腎の働きが低下し、ホルモン分泌がうまくできなくなる状態です。
- 朝起きるのがつらい、日中に強い眠気や倦怠感があるといった症状が特徴です。
2.精神的な病気
- うつ病:
- 気分の落ち込みや意欲の低下が主な症状ですが、全身の倦怠感や疲れやすさ、不眠といった身体的な症状も伴うことが多いです。
- 特徴: 以前は楽しかったことが楽しめない、食欲不振、睡眠障害がある。
3.消化器系の病気
- 肝臓病:
- 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出にくいですが、疲れやすさや倦怠感は初期症状の一つです。
- 特徴: 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、食欲不振、吐き気がある。
4.貧血
- 鉄欠乏性貧血:
- 体内の鉄分が不足することで、血液中の赤血球が少なくなり、全身に酸素が十分に運ばれなくなります。
- このため、疲れやすさやだるさ、息切れ、動悸といった症状が現れます。
- 特徴: 顔色が悪い、めまい、頭痛がある、冷え性である。
疲れの原因は様々ですが、これらの病気の可能性も視野に入れることが大切です。次の項目で、病気が原因の疲れと、単なる疲労との見分け方を解説します。
要注意!病気が原因の疲れの特徴と見分け方
病気が原因で疲れが取れない場合、単なる疲労とは異なる特徴や症状が見られます。自分の疲れがどちらに当てはまるのかを見分けるためのチェックポイントをご紹介します。
1.休んでも回復しない疲れ
- 単なる疲労:
- 睡眠や休息を十分に取れば、翌日には疲れが解消されるのが一般的です。
- 病気が原因の疲れ:
- どれだけ寝ても、休んでも疲れが解消されないのが特徴です。
- 「朝起きるのがつらい」「日中も常にだるい」といった症状が続きます。
2.日常生活に支障が出るほどの疲れ
- 単なる疲労:
- 仕事や家事、学業はこなせる程度の疲れです。
- 病気が原因の疲れ:
- 疲れや倦怠感がひどく、仕事や家事をこなすのが困難になる、といった症状が現れます。
- 以前は簡単にできていたことが、全くできなくなる、といった変化が見られます。
3.疲労以外の症状の有無
- 単なる疲労:
- 疲れ以外の症状はほとんどありません。
- 病気が原因の疲れ:
- 疲れだけでなく、発熱、体重の減少、リンパ節の腫れ、頭痛、めまい、関節痛、筋肉痛など、様々な症状を同時に伴うことが特徴です。
- 特に、これらの症状が6ヶ月以上続く場合は、病気の可能性が高いとされています。
4.症状の経過
- 単なる疲労:
- 一時的なもので、原因(運動、仕事など)がなくなれば症状も改善します。
- 病気が原因の疲れ:
- 徐々に症状が悪化する、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す、といった経過をたどることがあります。
これらの見分け方を参考に、自分の疲れが単なる疲労なのか、それとも病気のサインなのかを判断しましょう。
慢性疲労症候群(CFS)の症状と診断
疲れが取れない状態が長く続く病気の一つに、「慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome: CFS)」があります。ここでは、CFSの特徴と診断について解説します。
1.慢性疲労症候群(CFS)とは
- 症状の特徴:
- 十分な休養を取っても改善しない、半年以上続くひどい疲労や倦怠感を主症状とする病気です。
- 特徴的なのは、疲れの原因となる病気が、検査では見つからないことです。
- 引き金:
- ウイルス感染症(インフルエンザなど)をきっかけに発症することが多いとされていますが、ストレスや過労、ホルモンバランスの乱れも原因として考えられています。
2.CFSの主な症状
- 強い倦怠感・疲労:
- 日常生活を送るのが困難になるほどの、全身のひどい疲れが続きます。
- 睡眠障害:
- 眠りが浅い、寝ても疲れが取れない、といった症状が現れます。
- 思考力・集中力の低下:
- 物忘れがひどくなる、集中力が続かないといった症状も伴います。
- その他の身体症状:
- 頭痛、関節痛、めまい、喉の痛み、リンパ節の腫れ、発熱といった風邪のような症状が、長期にわたって続きます。
3.CFSの診断基準
CFSは、医師の診察と様々な検査を経て診断されます。主な診断基準は以下の通りです。
- 6ヶ月以上続く、原因不明の強い疲労感
- 疲労によって、日常生活や仕事、学業に支障が出ている
- その他の原因となる病気が見つからない
- 上記に加え、睡眠障害や思考力の低下など、いくつかの付随的な症状がある
CFSは、治療が難しい病気とされていますが、早期に適切な対処を行うことで、症状の改善が期待できます。
疲れが取れない時の病院受診の目安と科
疲れが長期間取れず、日常生活に支障をきたしている場合は、病院を受診することが大切です。ここでは、病院に行くべきタイミングと、どの診療科を受診すべきかについて解説します。
1.病院受診の目安
- 2週間以上、疲れが続く場合:
- 睡眠や休息を十分に取っても、疲れが解消されない状態が2週間以上続く場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
- 疲労以外の症状がある場合:
- 疲れだけでなく、発熱、頭痛、関節痛、めまい、体重減少、リンパ節の腫れなど、他の症状を伴う場合は、早めに受診しましょう。
- 日常生活に支障が出ている場合:
- 疲れがひどく、仕事や家事が手につかない、といった場合は、放置せずに病院に行きましょう。
2.受診すべき診療科
- まずはかかりつけ医、または内科へ:
- 疲れの原因が特定できない場合は、まずかかりつけ医や内科を受診しましょう。
- 医師が問診や検査を行い、原因となる病気を探してくれます。
- 専門科への紹介:
- 検査の結果、疲れの原因が甲状腺の病気であれば内分泌科、精神的な病気であれば心療内科や精神科、婦人科系の病気であれば婦人科など、適切な専門科へ紹介してくれます。
病院を受診することで、病気が原因の疲れなのか、それとも生活習慣によるものなのかを判断でき、適切な対処や治療を受けられます。
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疲れを溜めないための予防策と生活習慣
疲れが取れない状態を予防するためには、日々の生活習慣を見直し、疲れを溜めない工夫をすることが大切です。
1.良質な睡眠を確保する
- 規則正しい睡眠:
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけましょう。体内時計が整い、睡眠の質が高まります。
- 寝る前のリラックス:
- 寝る前にぬるめのお風呂に浸かったり、ストレッチをしたりして、心身ともにリラックスする時間を作りましょう。
- 寝室環境の整備:
- 寝室の温度や湿度、照明を調整し、快適に眠れる環境を整えましょう。
2.バランスの取れた食事
- 栄養バランス:
- 3食きちんと食べ、疲れを解消するために必要なビタミン、ミネラル、タンパク質などをバランス良く摂りましょう。
- ビタミンB1(豚肉、玄米など)は、疲労回復に効果的な栄養素です。
- 体を冷やさない:
- 冷たい飲み物や食べ物は、胃腸の働きを鈍らせ、疲れを溜める原因となります。
- 温かい飲み物や食事を摂るように心がけましょう。
3.適度な運動
- 運動不足の解消:
- 適度な運動は、血行を促進し、疲れを解消する効果があります。
- ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
4.ストレスを溜めない
- ストレス解消:
- ストレスは、疲れを加速させる大きな原因です。
- 趣味の時間を持つ、友人とおしゃべりをする、ゆっくりと入浴するなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
疲れは、体からの大切なサインです。日々の生活習慣を見直し、疲れを溜めない工夫をすることで、健康な毎日を送ることができます。
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